脳神経外科てきとうjournal club

読み癖をつけるために

May 9 1985 “Crowned dens syndrome:歯突起周囲の石灰化に伴う急性頚部痛”

“Acute neck pain due to calcifications surrounding the odontoid process: the crowned dens syndrome”

Bouvet JP, et al.

Arthritis and Rheumatism 1985; 28: 1417-1420.

 

【はじめに】

 水酸化リン酸カルシウムやピロリン酸カルシウムの異常結晶化による頚部痛があるが、頚長筋腱や椎間板、黄色靭帯、椎間関節での結晶化が報告されてきた。

【症例】

 4例の急性発症の上頚部痛。X線もしくはCTで診断される。歯突起周囲に石灰化成分を認め、いずれも保存的加療で軽快。

【考察】

 画像的特徴としてはX線の正面像で様々なサイズ・形の石灰化を歯突起の上や横に認めることであるが、CT

で見るとその石灰化は歯突起後方から側方にatlanto-occipital jointやatlantoaxial jointに及んでいた。結晶の実際の分析は行っていないが、いずれの患者もカルシウム沈着症を認めた。画像的診断が可能であればNSAIDsによる治療で寛解を得ることができる。急性発症の頚部痛においても画像診断が重要となる。

【ひとこと】

 Crowned dens syndromeの最初の報告?X線では王冠のように見えるが、CTで見ると後方から側方に石灰化が発達していることがよくわかるとのこと。CTで見ると王冠にはあまり見えないのは問題なかったよう。