脳神経外科てきとうjournal club

読み癖をつけるために

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.24-25

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.24-25

 

  1. 多発性嚢胞腎(polycystic kidney)の症例。肝臓や膵臓にも嚢胞を形成し、僧帽弁逸脱症や脳動脈瘤を合併する。常染色体優性遺伝と劣勢遺伝があり、前者はPKD1遺伝子やPKD2遺伝子の変異が、後者はPKHD1遺伝子の変異が原因。
    Words: prolapse: 逸脱, epithelial: 上皮
  2. ホモシスチン尿症(homocystinuria)は常染色体劣性遺伝のメチオニンをシスチンに変換するのに必要な様々な酵素が欠損する疾患。結果としてホモシスチンが蓄積し、尿から排泄される。症状は精神発達遅滞、高身長、骨粗鬆症、水晶体偏位などであり、治療はメチオニンの除去とシスチンの補充である。診断はMarfan症候群との鑑別に苦慮することがあるが、ニトロプルシド反応(nitroprusside cyanide test)陽性となるので確定診断がつく。
    Words: arachnodactyly: くも指, pes cavus: 凹足
  3. グルコースはGLUT2のチャンネルと介して膵臓β細胞に入る。
  4. 2,3-bisphosphoglycerate(BPG)はヘモグロビンのサブユニットを結合させることでヘモグロビンの4次構造を安定化させ、酸素との親和性を下げる。それにより組織において酸素がヘモグロビンから離れて組織に取り込まれるようになっている。
    Words: taut: ピンと張った, affinity: 相性
  5. Glucose-6-phosphate dehydrogenase (G6PD)欠損症は黒人に多くみられる。重症感染症を契機に溶血を発症する。G6PDは通常NADP+(酸化nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)からNADPH(還元化nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)を 生成し、グルタチオンの還元に使われる。還元化グルタチオンは抗酸化物質であり、活性酸素などから組織を守る特性がある。重症感染症や薬剤の曝露により赤血球膜の酸化が引き起こされると、G6PDが欠損している場合酸化ストレスに耐えきれず溶血する。
    Words: generate: 生成する, reduced: 還元された