脳神経外科てきとうjournal club

読み癖をつけるために

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.54-55

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.54-55

 

  1. 甲状腺咽頭下壁の甲状腺憩室より発生する。その後頸部を降りて行くが、その過程で通るthyroglossal duct(甲状舌管)が遺残すると嚢胞を形成する。感染源になるため摘出術を考慮する。甲状腺ホルモン分泌能はないため、ホルモン値は正常である。
    Words: hyoid bone: 舌骨, thyroid diverticulum: 甲状腺憩室
  2. 両耳側半盲→視交叉の障害である。頭蓋咽頭腫が小児では多く、成人では下垂体腺腫が多い。頭蓋咽頭管(cricopharyngeal duct)の遺残が原因。ラトケ嚢胞も稀に症状を来す。
    Words: bitemporal hemianopsia: 両耳側半盲, sella turcica: トルコ鞍
  3. 尿道の発生過程で腹側が上手くくっつかないと尿道下裂になる。尿路感染を防ぐために手術が必要。
    Words: hypospadias: 尿道下裂, urethra: 尿道
  4. 脊髄髄膜瘤は妊娠中の葉酸(VitB9)不足によるものであり、葉酸不足は大球性貧血を来す。
    Words: meningomyelocele: 脊髄髄膜瘤
  5. Di-George症候群=CATCH22症候群=染色体22q11,2欠失症候群。Cardiac defects, Abnormal facies, Thymic hypoplasia, Cleft palate, HypocalcemiaでCATCH。副甲状腺は低形成。
    Words: fungal infection: 真菌感染, cleft palate: 口蓋裂

May 9 1985 “Crowned dens syndrome:歯突起周囲の石灰化に伴う急性頚部痛”

“Acute neck pain due to calcifications surrounding the odontoid process: the crowned dens syndrome”

Bouvet JP, et al.

Arthritis and Rheumatism 1985; 28: 1417-1420.

 

【はじめに】

 水酸化リン酸カルシウムやピロリン酸カルシウムの異常結晶化による頚部痛があるが、頚長筋腱や椎間板、黄色靭帯、椎間関節での結晶化が報告されてきた。

【症例】

 4例の急性発症の上頚部痛。X線もしくはCTで診断される。歯突起周囲に石灰化成分を認め、いずれも保存的加療で軽快。

【考察】

 画像的特徴としてはX線の正面像で様々なサイズ・形の石灰化を歯突起の上や横に認めることであるが、CT

で見るとその石灰化は歯突起後方から側方にatlanto-occipital jointやatlantoaxial jointに及んでいた。結晶の実際の分析は行っていないが、いずれの患者もカルシウム沈着症を認めた。画像的診断が可能であればNSAIDsによる治療で寛解を得ることができる。急性発症の頚部痛においても画像診断が重要となる。

【ひとこと】

 Crowned dens syndromeの最初の報告?X線では王冠のように見えるが、CTで見ると後方から側方に石灰化が発達していることがよくわかるとのこと。CTで見ると王冠にはあまり見えないのは問題なかったよう。

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.28-29

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.28-29

 

  1. B型アルドラーゼの欠損によりフルクトース不耐性となっている。B型アルドラーゼはfructose-1-phosphateをglyceraldehydeとdihydroxyacetone-phosphateに分解する。欠損するとフルクトースは肝臓に蓄積される。これにより肝臓に貯蔵されているリンが枯渇し、糖新生を阻害することで細胞のATPレベルが落ちる。
    Words: intolerance: 不耐性, accumulate: 蓄積する, deplete: 枯渇する, preceding: 先行する
  2. Glucose-6-phosphate dehydrogenaseの欠損。薬剤、感染、ソラマメの摂取を契機に急性に溶血性貧血を起こす。ペントースリン酸経路の最初の酵素であり、還元化グルタチオンの維持に必要である。還元化グルタチオンは過酸化水素フリーラジカルの除去に必要であり、赤血球内にそれらが蓄積すると様々な構造物にダメージを与える。それによって細胞膜が破綻すると溶血を来す。ハインツ小体はヘモグロビンの酸化変性物の集塊である。
    Words: primaquine: プリマキン=マラリア治療薬, scleral icterus: 強膜黄疸, spherocyte: 球状赤血球, Heinz body: ハインツ小体, equivalent: 同価物, peroxide: 過酸化水素,
  3. ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoyl phosphatidylcholine)=肺サーファクタントの一つ。II型肺胞上皮細胞より分泌され、肺胞が膨らむために必要。肺サーファクタントの産生は32週以降であり、28週は早すぎる。羊水中のlecithin:sphingomyelin ratio(L/S ratio)が0を越えると肺の成熟を示す。
    Words: gestation: 妊娠, nasal flaring: 鼻翼呼吸, subcostal retraction: 肋骨下陥凹, amniotic fluid:羊水
  4. 細胞周期のうち、有糸分裂をするのはM期(mitosis phase)であり、染色体が垂直に並ぶの(赤道面にまっすぐ集まって並ぶ)はその中の中期(metaphase)である。ビンクリスチンは微小管を形成するチューブリンに結合して微小管の形成を阻害するため、紡錘体の形成がされず、細胞分裂がなされない。
    Words: pharmaceutical: 医薬品, tubulin: チューブリン, microtubules: 微小管, spindle: 紡錘体
  5. 脆弱X症候群(fragile X syndrome)はトリプレットリピート病の一種。精神発達遅滞や自閉症、特徴的顔貌(長い顔、大きな耳)、関節の過進展を来す。男子の方が症状は重い。サザンブロット法は染色体が長ければ長いほど先に進まないため、トリプレットリピート病を発症するほどに長くコドンがリピートされた場合は全く先に流れない。
    Words: nephew: 甥, draw blood: 採血する

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.26-28

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.26-28

 

  1. アルビノチロシントランスポーターかチロシナーゼの欠損による、メラニンの産生不全である。紫外線防御を徹底しなければ容易に皮膚ガンになる。網膜色素上皮細胞の発達が悪く、視力の問題が生じることも多い。
    Words: retinal pigment epithelium: 網膜色素上皮細胞, iris: 虹彩, strabismus: 斜視
  2. 閉塞性黄疸。血中の直接ビリルビン濃度が上がり、尿中のビリルビンも上がるが、ウロビリノゲンは腸内細菌がビリルビンをウロビリノゲンに代謝し、一部が再吸収されて尿中に排泄される。そのため閉塞性黄疸では胆汁が腸管に分泌されないため、ウロビリノゲンは下がる。
    Words: common bile duct: 総胆管, gut: 腸
  3. Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)は伴性劣性遺伝であり、ジストロフィン遺伝子を欠失することでCK上昇を伴う筋融解を引き起こす。ジストロフィンの作用はアクチンとラミニンを含む細胞外から細胞膜を貫く糖タンパクとを繋ぎ止めるものである。ジストロフィンが欠如すると筋細胞が破壊されやすく、変性してしまう。変性した筋細胞は間質性の繊維化により偽性肥大を引き起こす。
    Words: alter: かえる, interstitial: 間質性
  4. 血液検査上は代謝性アシドーシス、低血糖を認める。急性アルコール中毒による症状。エタノール代謝にはアルコールデヒドロゲナーゼアセトアルデヒドヒドロゲナーゼが関わり、肝臓のNADH(還元型nicotinamide adenine dinucleotide)が産生される。NAD(酸化型nicotinamide adenine dinucleotide)に対してNADHの比率が高いと、ピルビン酸→乳酸の代謝が起きて乳酸アシドーシスを来す。また、ピルビン酸が糖新生に必要であるため、ピルビン酸不足による低血糖を来す。
    Words: drown: 溺れる, sorrow: 悲しみ
  5. 巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia)はビタミンB12もしくは葉酸の不足によって生じる。これらはDNAの合成に必要であり、過分葉好中球も起こりうる。ビタミンB12不足の神経症状は異常感覚や失調である。
    Words: paresthesia: 異常感覚
  6. メトヘモグロビンはヘモグロビンのFe2+がFe3+になっているものであり、酸素運搬能を持たない。原因は薬剤性が多く、稀に先天性も存在する。メトヘモグロビン血症となると臓器虚血に陥り、血中酸素分圧が正常であるにも関わらずチアノーゼを呈する。
    Words: methemoglobinemia: メトヘモグロビン血症, dapsone: ダプソン、サルファ剤抗菌薬, overwhelmed: 圧倒される
  7. ステロイドホルモンは細胞内に入り、受容体タンパクと結合する。受容体-ホルモン複合体はDNAと結合して遺伝子の転写を開始する。
    groin: 股間, testicle: 精巣, feminization:女性化
  8. Tay-Sachs病(Tay-Sachs disease: TSD)はhexosaminidase Aの活性不足により、ガングリオシドの分解が行われず、有害量のガングリオシドGM2が神経細胞に蓄積する。ユダヤ人に多く、常染色体劣性遺伝。症状は運動能力の低下、驚く反応の増加、黄斑のcherry-red spot signなど。白血球中の酵素定量的評価で診断が可能。
    Words: diminished: 減少した, startle: 驚かせる,

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.25-26

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.25-26

 

  1. 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone: PTH)の作用はカルシウムとリンのバランス調節である。カルシウム血中濃度が下がると、PTHは急速に分泌され、小腸からのCa吸収を促進し、尿細管からCaの再吸収を促し、同時にPの再吸収を阻害する。また、ネガティブフィードバックとしてPTHの分泌を自ら抑え、1,25-dihydroxyvitamin D(=活性化ビタミンD)の産生を促す。
    Words: predispose: (病気に)かかりやすくなる, endocrine gland neoplasia: 内分泌系腫瘍, excess: 過剰, reabsorption: 再吸収, renal tubules: 尿細管,
  2. 急性ポルフィリン症(acute intermittent porphyria: AIP)の問題。腹部症状、精神・神経症状、心血管症状で発症し、ポルホビリノゲン脱アミノ酵素(porphobilinogen deaminase)の欠損による。ポルフィリン症はヘム合成経路の酵素欠損によりヘム前駆体が蓄積して毒性を来す疾患である。
    Words: puberty: 思春期, precipitate: 促進する
  3. 2歳男児の腎臓を巻き込む巨大腹部腫瘍、Wilms腫瘍の症例。小児の悪性疾患の約6%を占める。多くの場合染色体11pにあるがん抑制遺伝子であるWT1の欠失を認める。
    Words: diaper: オムツ, flank: 脇腹, hematuria: 血尿, embryonal: 胎児性
  4. Friedreich失調症、トリプレットリピート病の一つ。世代を経るごとに重症化する表現促進現象(anticipation)といえばトリプレットリピート病。GAAリピートの延長によってmRNAやタンパク質の発現量が減るとされる。一方で脊髄小脳失調症やハンチントン病などのポリグルタミン病もトリプレットリピート病の一種だが、こちらはCAGリピートの延長によって遺伝子産物のミスフォールディング(折りたたみ構造の変化)を来たし、神経細胞内に異常タンパク質が蓄積するとされる。Friedreichが遺伝子の機能喪失による疾患とすると、ポリグルタミン病は遺伝子の機能獲得による疾患と言える。
    Words: impede: 邪魔する
  5. フェニルケトン尿症(phenylketonuria: PKU)は精神発達遅滞、色素欠乏症で発症する。フェニルアラニンチロシン代謝を行うphenylalanine hydroxylaseの欠損が原因であり、常染色体劣性遺伝である。血中のフェニルアラニン濃度が高く、神経毒性を持つ。チロシンの欠乏によりメラニンの生成ができなくなり、色素欠乏症が出現する。治療は低フェニルアラニン食とチロシンの摂取である。
    Words: hypopigmentation: 低色素
  6. 脂溶性ビタミン=ビタミンDAKE。それ以外は水溶性。Wernicke症候群はビタミンB欠乏症、錯乱、平衡感覚異常、異常眼球運動を示し、Korsakoff症候群に移行すると健忘、作話が出現する。ペラグラ(pellagra)はビタミンB3不足による光過敏を特徴とする皮膚障害。溶血はビタミンE不足、新生児出血はビタミンK不足、夜盲はビタミンA不足、骨粗鬆症ビタミンD不足。
    Words: elaborate: 精巧な
  7. I-cell病(ムコリピドーシスII型)はライソゾーム病の一種であるが、ライソゾームの糖類の分解機能低下によるものでなく、ゴルジ体にある糖転移酵素(mannose-6-phosphate by GlcNAc phosphotransferase)が欠損することが病態の原因である。Hexominidase, idunuronate sulfatase, arylsulfatase Aなどのライソゾームの酵素が細胞内に取り込まれずに細胞外に余ってしまう状況となる。I-cell病の特徴は骨格異常や関節可動域制限、特徴的な願望、重症な精神運動障害である。

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.24-25

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.24-25

 

  1. 多発性嚢胞腎(polycystic kidney)の症例。肝臓や膵臓にも嚢胞を形成し、僧帽弁逸脱症や脳動脈瘤を合併する。常染色体優性遺伝と劣勢遺伝があり、前者はPKD1遺伝子やPKD2遺伝子の変異が、後者はPKHD1遺伝子の変異が原因。
    Words: prolapse: 逸脱, epithelial: 上皮
  2. ホモシスチン尿症(homocystinuria)は常染色体劣性遺伝のメチオニンをシスチンに変換するのに必要な様々な酵素が欠損する疾患。結果としてホモシスチンが蓄積し、尿から排泄される。症状は精神発達遅滞、高身長、骨粗鬆症、水晶体偏位などであり、治療はメチオニンの除去とシスチンの補充である。診断はMarfan症候群との鑑別に苦慮することがあるが、ニトロプルシド反応(nitroprusside cyanide test)陽性となるので確定診断がつく。
    Words: arachnodactyly: くも指, pes cavus: 凹足
  3. グルコースはGLUT2のチャンネルと介して膵臓β細胞に入る。
  4. 2,3-bisphosphoglycerate(BPG)はヘモグロビンのサブユニットを結合させることでヘモグロビンの4次構造を安定化させ、酸素との親和性を下げる。それにより組織において酸素がヘモグロビンから離れて組織に取り込まれるようになっている。
    Words: taut: ピンと張った, affinity: 相性
  5. Glucose-6-phosphate dehydrogenase (G6PD)欠損症は黒人に多くみられる。重症感染症を契機に溶血を発症する。G6PDは通常NADP+(酸化nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)からNADPH(還元化nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)を 生成し、グルタチオンの還元に使われる。還元化グルタチオンは抗酸化物質であり、活性酸素などから組織を守る特性がある。重症感染症や薬剤の曝露により赤血球膜の酸化が引き起こされると、G6PDが欠損している場合酸化ストレスに耐えきれず溶血する。
    Words: generate: 生成する, reduced: 還元された

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.22-24

FIRST AID Q&A for the USMLE STEP 1, p.22-24

 

  1. 患者は明らかに橋本病である(Hashimoto thyroiditis)病理は粘液水腫を示す。サイログロブリン甲状腺ペルオキシターゼ、甲状腺刺激ホルモン受容体への自己抗体によるIV型アレルギーが原因。DR5 HLA subtypeが関連しているとされ、ビタミンB12欠乏による悪性貧血もDR5 HLA subtypeに関連しているという。
    Words: myxedema: 粘液水腫, pernicious anemia: 悪性貧血, psoriasis: 乾癬
  2. バンコマイシングラム陽性菌に有効なグリコペプチド系抗菌薬である。グラム陽性菌は特に細胞壁が細胞の存続には必須であり、細胞壁を成すペプチドグリカンを構成するムレインモノマーという前駆体の末端にあるD-alanyl-D-alanineというアミノ酸構造にバンコマイシンが結合する。そうするとそのムレインモノマーは細胞壁の一部として取り込まれなくなり、細胞壁脆弱性から細胞が死に至る。バンコマイシンに耐性の場合はD-ala-D-alaをD-ala-D-lacに繋ぎかえる酵素が出現し、バンコマイシンがムレインモノマーに結合するのを防がれている。Enterococcus faeciumとenterococcus faecalisは両者とも腸球菌だが、faeciumの方がバンコマイシン耐性になりやすい。治療は高容量アンピシリンとゲンタマイシンの併用である。
    Words: precursor: 前駆体, microorganism: 微生物
  3. Kartagener syndrome(カルタゲナー症候群)の問題。Dynein(ダイニン)の欠如によって繊毛が機能しない事が原因。副鼻腔炎、気管支拡張症、内臓逆位、男性不妊を来す。
    Words: sinusitis: 副鼻腔炎, chloride: 塩化, infertility: 不妊, reactive airway diseases (RAD): 反応性気道疾患, immotile cilia: 繊毛不動, bronchiectasis: 気管支拡張症, situs inversus: 内蔵逆位
  4. Ornithine transcarbamylase (OTC)欠損症。アンモニアを尿路サイクルにより尿素に転換する回路の障害。オルニチントランスカルバミラーぜはカルバモイルリン酸と結合してシトルリンを形成する。

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    もしOTCが欠損すれば余ったカルバモイルリン酸によりオロト酸の上昇を来す。これが他の尿素サイクル異常症との鑑別点である。その他の尿素サイクル異常症はほとんどが常染色体劣性遺伝だが、この疾患はX染色体の伴性優性遺伝である。
    Words: rouse: 目覚めさせる, icteric sclerae: 強膜黄疸, ammonia: アンモニア, orotic acid: オロト酸
  5. Conjugated bilirubin = 直接ビリルビン、unconjugated bilirubin = 間接ビリルビン
    Words: conjugated: 抱合型, pruritus: 掻痒症
  6. 喘息発作に対してはβ2アゴニスト=albutemolが第一選択。
    Words: eczema: 湿疹
  7. Pompe disease(ポンペ病)。Lysosomal α-1,4-glucosidaseの欠損を原因とする常染色体劣性遺伝病。細胞の細胞質とライソゾーム両者にグリコーゲンが蓄積し、進行して行く。乳児型では2ヶ月頃よりフロッピーインファンととなり、心肥大、巨舌、肝腫大が出現し、18ヶ月までに全例が死亡する。酵素補充療法という治療が存在する。
    Words: tachypneic: 頻呼吸, pacifier: 落ち着かせるもの, accumulation: 蓄積
  8. グルコースグルコース-6-リン酸へのリン酸化は解糖系の最初のステップである。ヘキソキナーゼもこの作用をもち、全身の細胞に存在するが、グルコキナーゼという肝臓にのみ存在する酵素は高いKm (Michaelis-Menten constant) と高いVmax(反応速度)をもち、グルコース濃度が高い時のみグルコキナーゼが活性化して血中のグルコースを分解するのである。
    Words: catalyze: 触媒する
  9. I型脂質異常症 = 家族性リポタンパクリパーゼ欠損症= 高カイロミクロン血症。トリグリセリドを脂肪酸とグリセロールに分解する酵素であり、VLDLコレステロールやカイロミクロンに活性化される。TGの著明な上昇が特徴的。家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia: FH)はほとんどがLDLコレステロール受容体の機能不全によるものであり、LDLの上昇が主体、異なる病態である。
    Words: adipose: 脂肪, cleave: 割る
  10. 血管内皮の損傷の後には内皮下のスペースにリポタンパクが蓄積する。その後単球が血管壁に誘導され、マクロファージとなり、酸化されたLDLコレステロールを貪食して泡沫細胞として蓄積される。この段階で様々な細胞メディエイター(platelet-derived growth factor, tumor necrosis factor, interleukin-1など)が平滑筋や血小板を元の内膜の構造に戻そうとする。そして細胞外マトリクスが生成され、繊維性のプラークとなる。
    Words: morbid: 病的, substernal: 心窩部, pending: 保留中, monocyte: 単球, intimal: 内膜